大政 伸作

大政 伸作 の紹介

記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。 積水ハウスにて30年勤務後退職。 現在は収益用不動産に特化した仲介業を専門とし、お客様の資産形成のサポートを行っています。 これから不動産投資を行う方や既に大家業を営んでいる皆様方には、成功への道筋を掴んで欲しいです。 詳細プロフィールはこちら ご相談はこちら 会員登録はこちら

金融商品購入と収益物件購入比較シミュレーション

金融商品購入と収益物件購入比較シミュレーション

上記の表は1500万という自己資金運用について「金融商品購入と収益物件投資」を比較シミュレーションしたものです。

表の2列目(ア)の金融商品残高推移は仮に2.75%の劣後債を購入した場合の毎年の金利付加の自己資金残高の推移状況を表示しています。

表の3列目の(イ)収益マンション純賃料収入は売価5000万、現況利回り15%の1棟もの収益マンションを自己資金、1500万(8%の取得経費を含む)を投入、3900万を(調達金利3.9%、返済期間15年)にて借入れした場合を想定し、空室率10%、ランニングコスト20%の条件にて取得した場合の各年度の年間純賃料額を表示しています。

年間純賃料額の計算式は(5000万×15%-5000万×10%-5000万×20%-年間ローン返済額)にて表示。

表の4列目の(ウ)は(イ)の純賃料収入を実効税率20%を仮定、所得税引き後のキャッシュフロー(純現金収入)の推移状況の残高推移を表示しています。(単純シミュレーションの為、減価償却は考慮しておりません)

このシミュレーション表から解読できることは、実効税率20%の方ならほぼ10年目にして投入自己資金の回収目途が立つということです。

ローン返済期間の15年が終了した時点ではキャッシュフローの累積残高は\29,252,880に達しますので、現時点で2.75%という高金利の金融商品の累積残高\20,790,010を軽くオーバーしてしまいます。

これは15年経過時点では自己資金を金融商品に投入するよりもはるかに有利に運用したことを意味し、更にローン残債ゼロの収益物件を丸ごと取得したことになります。

8年目に投入自己資金回収してしまえば、収益マンションは全く自己負担無しで自動マネー製造装置として機能することになります。

更に15年目のローン完済後は表列の7列目(キ)で経年劣化による賃料を20%減価したと仮定してキャッシュフローを実効税率20%にて試算していますが、税引き後年間¥3,456,000のキャッシュフローが得られることを意味しています。

表の列(イ)(ウ)(カ)(キ)の累積残高は預金金利は考慮していません。

以上のシミュレーション結果より適正な利回り水準の収益物件投資を取得することが、金融商品の購入に比して

如何に有利であるかということを読み取ることができると思います。

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瑕疵担保責任について

瑕疵とは「欠陥、キズ」とほぼ同じ意味で、一見しただけでは、分からない欠陥・キズを「隠れた瑕疵」といいます。

瑕疵があるというのは目的物が通常有する性質や、性能を有していないことと考えられています。

「隠れた瑕疵」があった場合、民法・宅建業法では、買主を保護する規定が定められている。

しかし事前に説明されている 瑕疵(例えば雨漏り)について買主は売主に対して瑕疵担保責任を問えません。

買主が通常の注意力でもって発見できない瑕疵について売主に対して、補修請求権もしくは損害賠償・契約解除権(瑕疵を修理できない程、重大な欠陥がある場合)を請求できます。

これを売主の買主に対する瑕疵担保責任と言います。

中古住宅の売買のケースで瑕疵担保責任について説明してみましょう。

中古住宅の売買の場合、売却時点では気づかなかった生活する上で重大な建物の欠陥(雨漏り・構造部の腐食・シロアリ被害・床の傾き・給排水設備の不具合等)が、引き渡し後一定期間内に見つかった場合、売主は無料補修や損害賠償をする責任を負うことになります。

最近の判例では上記の物理的な瑕疵以外に心理的な瑕疵 (室内で過去に自殺があったような場合) についても、売主の瑕疵担保責任により契約の解除を認めたケースもあるなど、適用の範囲が拡大してきているようですので注意を払う必要があります。

瑕疵担保責任について民法及び宅建業法は下記のように規定しています。

民法 566 条・570 条で買主は瑕疵を知った時点より 1 年以内は無料補修や損害賠償請求権があります。

宅建業法第40 条では売主が業者の場合、その目的物の引渡しの日から 2 年以上とする特約以外は無効としていますので、期間の短縮・免責(例えば「瑕疵担保責任を 1 年とする」とか「瑕疵担保責任を問わない」という特約)は無効です。

実際の取引上では「2 年の瑕疵担保責任とする」とするというように最短の期間で設定しているケースが多いようです。 個人間の中古住宅取引において瑕疵担保責任は宅建業法上、規定がありませんので、瑕疵担保責任の期間の短縮・免責は可能です。

実際の取引上では 2 ヶ月程度の瑕疵担保責任の期間設定が多いようです。 しかし業者と個人の中古住宅取引においては上記で記した宅建業法第 40 条で 2 年以上の瑕疵担保責任の特約を付ける必要があります。

この条件以下の買主にとって不利な特約は無効となります。

ところでこの瑕疵担保責任について業者が個人に対して有効期間を定めずに売却した時はどうなるのでしょうか?

その場合は、瑕疵担保責任の時効消滅は引き渡しから 10 年です( 平成 13 年 11 月、最高裁判所は、瑕疵担保による損害賠償請求権は引渡しの日から 10 年で消滅時効にかかるとしました。)ので、個人である買主は業者である売主に対 して引渡しから 10 年間瑕疵担保責任を問えることとなります。

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減価償却費の具体的計算

■ケーススタディー

平成16年5月建築のRC造の中古居住用1棟マンションを建物価格5000万円で購入した場合の減価償却の期間と金額の計算(平成26年8月7日時点)

 

■残存耐用年数

まず中古1棟マンションの残存耐用年数ですが、下記の計算式の通りです。

残存耐用年数=法定耐用年数-経過年数(新築した時点より購入した時点まで)×0.8

RC造の法定耐用年数は47年ですので、

47年-(10.16年×0.8)=38.872年  ⇒38年が残存耐用年数

(上記で算出された38.872年の1年未満の端数は切り 捨て処理し38年となります。)

(2年に満たない場合には2年とします。)

この残存耐用年数が、減価償却年数となります。

 

■法定耐用年数を超過した建物の場合

法定耐用年数を超過した建物の減価償却年数は下記のようになります。

法定耐用年数が47年で47年以上経過しているケース

残存減価償却年数 = 47 × 0.2  = 9.4年

小数点以下は切り捨て処理し9年となります。

 

■減価償却価額

毎年の減価償却価額は下記の計算式の通りで定額となります。

 

減価償却価額 =(建物価格-1円)×減価償却率

 

購入した中古マンションの残存耐用年数は上記の計算式で38年ですので、減価償却率表にて残存耐用年数38年の減価償却率を確認しますと0.027となります。

※減価償却率は残存耐用年数により決まっています。

※下記に減価償却率表を貼っておきます。

減価償却率表

減価償却率表

 

具体的な数字を入れて計算してみます。

 

減価償却価額 =(5000万円-1円)×0.027=1,350,000円

 

上記計算式で1円を差し引きしていますのは減価償却後の最終残存価格は1円ということです。

平成19年4月1日以降、減価償却額の算出は以上の手順で行なうことになりました。

参考までに平成19年3月末までは減価償却額の最終残存価額は購入価額の10%でした。

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減価償却について

建物等の高額な固定資産は、一度に経費として計上することはできません。

何故なら建物・車両・設備等の高額なものを買って全て経費に計上できるとしたら、儲かっている企業はみんな「今年は利益が出そうだ」と期末に高額なものを買って経費に使ってしまって利益をコントロールするようなことをやってしまう可能性があります。

そうなると国は税金を徴収することができなくなり大変なことになってしまいます。

そこで固定資産となる建物等は、毎年使用することによって価値が低減していく減耗分を毎年、分割計上させて利益を減らすことができないような仕組みにしています。

このことを減価償却といいます。

この分割計上の回数については、固定資産ごとに法定耐用年数が定められておりまして、定額法・定率法という2つの償却方法のいずれか(建物は無条件で定額法が採用されます)で毎年計上することになります。

※ちなみに、土地は減価償却資産ではありません。

減価償却は、イニシャルコストとなる初期投資分を分割して毎年計上していることにすぎませんので実際に自分の財布から出て行くお金ではありません。

つまり実際には出て行かなくてもお金を経費として計上していくわけです。

収益マンションの経営はこの減価償却を使うことがキャッシュフロー(現金収入)を増大させる意味での大きなポイントとなってきます。

次回は減価償却費の具体的な計算方法について記載したいと思います。

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投資指標5~DSCR~

次に投資期間中の借入金の返済能力を示す指標としてDSCR(Debt Service Coverage Ratio)があります。

DCRとも呼ばれ、日本語訳で借入れ償還余裕率のことを言います。

DSCRは次の数式で表されます。

 

DSCR=NOI÷ADS(年間元利返済額:元金+利息)

 

この数値が大きくなるほど借入金返済の余裕があることになり、DSCR≧1であれば、借入金を当該不動産からの収入だけで返済できることであり、DSCR<1 の場合、借入金の返済余地が無いことを示し、自分のポケットからも返済しなければいけないことを意味する。

参考までに格付け機関の投資適格レベルのDSCR指標は、DSCR>1.6程度と言われています。

不動産投資額に対する借入金の比率(LTVL:Loan to Value)にもよりますが、一般的には最低1.5以上は必要と言われています。

DSCR<1.2のケースとなると銀行融資はまず不可能となるでしょう。

DSCR=ローン償還余裕率(デフォルト回避、安全性指標)

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投資指標4~CCRとFCR~

今回は、CCR(Cash-on-Cash return)とFCR(Free- and -Clear Return)について説明します。

CCRとは自己資金収益率のことであり、レバレッジ(てこ)がきいているかどうかの判定をする指標であり、自分の目標収入にたどり着くまでいくらの物件をどのくらいのペースで買い進んでいくかというときにも使える指標でもあります。

CCRは次の数式で表されます。

 

CCR=BTCF(税引き前キャッシュフロー)÷投資自己資金

 

BTCF(税引き前キャッシュフロー)はNOIから借入れ額の年間元利返済額を差し引いたものです。

BTCF=NOI-ADS(年間元利返済額:元金+利息)

※税引き前キャッシュフローとは税引き前の現金収入のことです。

 

CCR=投入自己資金からの現金配当率

 

FCRは総収益率・ネット利回りのことで、物件をオール現金で購入した場合のネット利回り(正味の利益)を意味します。

FCRは次の数式で表されます。

 

FCR=NOI÷不動産価格

CCR>FCRなら正のレバレッジと言われ借入れによる効果が出ていることになります。

不動産投資は借入れというレバレッジ(てこ)を使用し、自己資金だけで購入するよりもはるかに効率の高いリターン(配当)を得られるというのが、大きな魅力となっています。

 

FCR=投資不動産から得られる総収益率・ネット利益率

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関西の商習慣と関東の商習慣

収益マンション購入の大事なポイントとして保証金がどうなっているかということがあります。

買い主Aさんが売主Bさんより1棟売り中古居住用収益マンション(全戸数20戸、内訳入居戸数15戸・空き戸数5戸)を総額1億円で購入した場合について説明します。

例えばそのマンションの売主Bさんが保証金として既存の入居者、15戸の方から1戸当り50万(解約引き30万返還金20万)で総額750万預かっていたとします。

そうすると売主Bさんは解約引きの1戸当たり30万(30万×15戸=450万)は収入として計上できますが、将来、既存の入居者が退去する際に返還分の1戸当り20万の15戸分、合計20万×15戸=300万は単なる預かり金です。

関西の商習慣では保証金の持ち回りと言って、この売主のBさんはマンション購入したAさんにその返金分の300万を支払わず、自らの収入としてしまいます。

そしてその返金分の300万を買主の将来の負債として引き継ぎさせます。

したがって買主Aさんは、この300万を売主Bさんから返金してもらえなければ総額1億円で買っても300万円の負債付で1億円のマンションを購入したということになりますので実質的には、1億300万での購入ということとなります。

そこでAさんは入居者の退去に備えてこの返金分をキャッシュで常にプールしておくことが大切です。

返還保証金は別枠で準備しておきましょう。

これに反して関東圏ではこの300万の保証金を売買時に清算しますので買い主Aさんにとっては実質的に1億円の購入ということになります。

この方式を東京方式といいます。売買の方法としてはこの方式が最も理にかなっている方法でしょうね。

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投資指標3~キャップレート~

NOIを使って不動産価格を算定するキャップレート(総合還元利回り)というのがあります。

これは不動産ファンド等が不動産取得する際に適正な不動産価格を算定する為に使用されます。

このキャップレート(Capitalization Rate)は次の数式で表されます。

キャップレート(期待利回り)=NOI÷不動産総投資価格(不動産取得額+取得経費)

キャップレートは投資家が不動産投資に期待する利回りの目安となります。

物件の収益力であるNOIが分かっておれば、投資に最適な期待利回り(キャップレート)を設定することにより、上記の数式から、NOI÷キャップレート=不動産総投資価格(投資適正価格)というように適正な投資価格が算定されることになります。

キャップレート=不動産投資家が期待する投資利回り

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投資指標2~NOI(エヌオーアイ)~

NOI(Net Operating Income)について解説していきます。

エヌオーアイと呼びます。

それぞれの単語を日本語訳すると、Net :正味の、Operating:運用中の、income:収入となり、 正味の利益、即ち営業純利益(ネット利益)のことを意味しています。

単純に次の数式で表わされます。

NOI=利益-経費

空き室損を差し引いた正味の賃料から実際にかかった経費(固定資産税・修繕費・管理費・清掃費・水道光熱費・入居斡旋仲介手数料・火災保険料・エレベーター保守点検費etc)を差し引いたものがNOIです。

この経費の部分を出すのは、いろいろな要因が組み合わさってきますので一概には言えないのですが、当社では満室想定賃料の20%で考えます。

ここで重要な点は、このNOIという指標は物件が本来有するところの収益力を見ることにより、異なる不動産と比較する指標なので、経費として借入れ金利及び減価償却は控除しないことです。

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投資指標1

収益マンション投資をする場合、実際に投資をする前に、投資の効率と安全率を見る為にいくつかの投資指標を理解しておく必要があります。

安易な投資はデフォルト(債務不履行)に直結しかねません。

投資額が大きいだけに自分の資産や人生に大きく影響してきます。

したがって事業失敗は許されませんので、投資の前にまず勉強第一です。

横文字がいくつか出てきて当初は、頭が混乱しそうになりますが、慣れれば難しくはありません。

次回からはその投資指標について具体的に説明していきます。

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