大政 伸作

大政 伸作 の紹介

記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。 積水ハウスにて30年勤務後退職。 現在は収益用不動産に特化した仲介業を専門とし、お客様の資産形成のサポートを行っています。 これから不動産投資を行う方や既に大家業を営んでいる皆様方には、成功への道筋を掴んで欲しいです。 詳細プロフィールはこちら ご相談はこちら 会員登録はこちら

時間と価格のマッチング

指値をする際の物件の選定

まず売却物件には3 パターンがあることを理解しましょう。

1 つ目は消極的売り物件(一定の収益を得ているので、売却時期にはこだわらない。希望値で売れたら売却したい。)

2 つ目は積極的売り物件(金銭的に困り、換金を急いでいるとか、早期にまとまった金銭が必要になったetc)

3 つ目は準積極的売り物件(高齢や遠隔地という理由で管理が手間になったので、時間的には余裕があるが、一定の期間内には売却したい。)

1 つ目のパターンは、多くの収益不動産投資家にとってはスルーしたい物件です。

いくら待っても価格は下がりません。このような物件は結構多く存在しますので、関わっていては時間の浪費となります。

狙いは目の物件は2 つ目と3 つ目のパターンの売り物件です。

ただし2 つ目のパターンは大半の場合、多くの買付が入り買い手同士の激しい競争となります。

この際に買付けの優先順位は1 番手がキャッシュで買う方。

2 番手はローン承認の早い属性の高い方(収益物件を複数棟所有していて金融機関で既に属性の評価実績がある方)。

3 番手以下はローン承認に時間のかかる方となります。

これから初めて収益1 棟マンションを買われる多くの方は、3 番手以下となります。

物件の紹介を受けても後回しとなります。

いくら買付を入れてもなかなか買えないという方はこの3 番手以下と評価されています。

まずリアルタイムの自分のポジションを理解して2つ目のパターンを狙うか、3つ目のパターンを狙うかを決める必要があります。

現在の自分の実力を判断し、2つ目のパターンが無理な場合、決して諦めることはありません。

忍耐強く3 つ目のパターンを狙うのです。

物件には時間と価格のマッチングの瞬間が必ず存在します。

3 つ目のパターンは時間に余裕がある為、買い手にとって価格が希望価格で買えるまで一定の時間の経過が必要です。

売主は最初、強気の価格設定をします。

しかし時間の経過と共に弱気に転じ、価格について弾力的になってきます。

買主の買い希望価格は一定です。

時間の経過の中で、売主価格は下降していき、買主の買い希望価格と交差したポイントが成約の瞬間です。

その成約の瞬間という時間帯は3 か月後、6 か月後、1 年後、または1 年超と長期にわたり、いつどの瞬間に成約ポイントがくるのかは予想がつきません。

しかし、必ず誰かが取得します。

この3つ目のパターンはある日、突然どこかの誰かが買います。

この過程において、下降価格については表面化する事は無く、売主と元付け業者の腹の中にあり、不動産業者間の横のつながりの中でふと耳にしたりする場合が大半です。

このような物件を選別ウォッチングして買う為には、普段から特定のパートナーにふさわしい仲介業者との連携が必須です。

弊社をパートナーに選んでいただければ幸いです。

値引き交渉の実態

過去にまとめたデータがありましたので、参考にしてみて下さい。

平成21年4月3日~平成23年3月17日の過去2年間の成約データ200件のデータ

によると、平均値引き率5.1%。最大値引き率41.9%

10%以上の値引きによる成約は39件で成約全体に占める比率は19.5%。

15%以上の値引き成約は20件で成約全体に占める比率は10%。

高利回り物件は作り出すのであって、目の前に出現するのを待っていては決して買えません。

プロは上記の事実を知っているので、ダメ元で積極的に値交渉を行います。

やみくもに売価の15%の値引き交渉により買付を入れれば、10件に1件の確率で成約に結びつく可能性があるという事です。

ただし一般的に大幅な値引き交渉は業者が嫌がるので、業者の理解が必要です。

それと、値引き交渉の確率を高める為には明らかに値交渉が無駄で有るケースは敬遠することです。

物件には売主にとって換金の必然性のある積極的売り物件と、希望価格で売れれば売ってもよいという消極的売り物件があるということを知っておく必要があります。

値交渉を行なう際に必要なのは、売主側媒介業者へのヒアリングが必須です。

業者によっては買付証明書を売主に渡さない業者もいるということを知っておくべきです。

理由は簡単です。

売主が明確に希望価格を媒介業者に伝えている場合、この希望価格と乖離する買付は売主の不機嫌を招く為に、媒介業者の手元で握りつぶされ、売主には伝達されないのです。

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管理会社による入居者仲介の問題点

当社の考える管理会社の最大の目的はキャッシュフローの最大化です。

その為には、ランニングコストの低減、入居率のアップ(空室率の減少)、賃料滞納の最小化が必要となります。

この中でも特に、入居率を高くキープすることが最も重要です。

管理会社による直接入居付け(インターネット広告・現地のぼり・看板設置)が行われた場合、この入居率アップに支障をきたす可能性があります。

管理会社は空室情報を他の入居付賃貸募集会社に提供しますが、管理会社が上記のように積極的に自社広告をしている場合、他の賃貸業者と競合関係になります。

つまり他の賃貸会社は入居付けの協力依頼を受けた管理会社のマンションの募集広告を出しても、管理会社の直接広告に負ける可能性があるのです。

そうしますと、他の賃貸会社は、わざわざ広告料の取り分の少ない管理会社のマンションより自社が直接委託を受けているマンションへの入居付けを優先します。

管理会社は他の賃貸募集業者にも広く間口を広げて募集依頼をすることでスピーディーに入居付けを行なう必要がありますが、自社で直接の客付け広告を行うことは、他業者の協力を得られない可能性があるのです。

中には管理会社が空室情報を他の賃貸募集業者に対して情報を非公開とすることで囲い込みを行い、自社のみで入居付けをしているようなケースもあります。

その業者がエリアで圧倒的な集客力をもっている場合は特に問題となりませんが、そうでない場合は、入居付けに支障をきたすことは明らかでしょう。

したがって管理会社は空室情報を他の賃貸募集業者に速やかに提供するだけで、入居者仲介は他の賃貸業者にすべて任せて、自社は建物管理と入居者管理に特化することが、最もスピーディーな入居付けにつながるのです。

ただ、大半の管理業者(感覚としては95%程の業者)が、自社で入居付けも行っているというのが現実です。

管理会社を選ぶ際には、この点も考慮に入れて、その管理会社がどの様な入居付けを行っているのかも確認する必要があります。

当社の管理物件では、キャッシュフローの最大化を目指し入居率をアップさせる為に複数の仲介業者に募集依頼をしております。

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手付金等の保全措置

業者が売主である物件を購入する際の注意事項を記載します。

売主である不動産業者が売買契約後に倒産した場合、手付金は返還されません。

売買契約締結にともない、買主は手付金等を支払いますが、登記が完了するまでは、手付金等は極めて不安定な状態にあります。

そこで、宅地建物取引業法では「手付金等の保全措置」を定めています。

保証書を確認しましょう。

業者が売主である物件を購入するとき、一定額を超える手付金等を支払う場合、業者はその保全措置を説明し、その保全の内容を書面化した「保証書」等を買主に渡します。

保証書を確認し、登記が完了するまで大切に保管しておきましょう。

 

■保全措置の事例

【保全措置が必要な場合】

保全措置が必要な場合

 

 

 

 

 

 

【保全措置が不要な場合】

保全措置が不要な場合

 

 

 

 

 

 

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媒介契約の種類

媒介(仲介)契約とは依頼者(売主・貸主)が宅地建物取引業者に、宅地または建物の売買、

交換または賃借の仲立ちを依頼することです。

不動産会社に住まいの売買を依頼する場合は、必ず媒介契約を締結する事になります。

媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、依頼者はいずれか自分にとって最適な媒介契約を選択できます。

媒介契約の種類によって、それぞれ特徴があります。

以下にそれぞれの媒介契約毎の特徴を記載します。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約の媒介依頼は1業者のみに限られ、複数業者に依頼をする事が契約で禁じられます。

また、自ら買主を見つけて来て取引する場合も、専属専任媒介契約を交わした業者を通して取引する事が義務付けられます。

業者側には業務上の義務が発生し、5日以内に指定流通機構(レインズ)への登録をする必要があり、依頼者への業務報告を1週間に1回以上する必要があります。

専任媒介契約

専任媒介契約の媒介依頼は1業者のみに限られ、複数業者に依頼をする事が契約で禁じられます。(ここまでは専属専任と同じです)

自ら買主を見つけて来て取引する場合は、専任媒介契約を交わした業者を通して取引する必要はありません。

業者側には業務上の義務が発生し、7日以内に指定流通機構(レインズ)への登録をする必要があり、依頼者への業務報告を2週間に1回以上する必要があります。

一般媒介契約

一般媒介契約の媒介依頼は複数業者に依頼することが可能です。

以上、3種類の媒介契約を表にまとめてみました。

媒介契約の種類

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収益マンション投資用語色々

RC造

鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete)造を略して一般的に「RC造」と呼んでいます。鉄筋とコンクリートを使い、張力と圧力に強いのが特徴です。これまで主に中層建築物に用いられてきましたが、最近では高強度コンクリートの開発により、超高層建築物にも採用されています。

 

アセットマネジメント(Asset Management)

資産管理を意味する。不動産に関る総合的な運用・運営・管理業務のこと。

 

アレンジャー (Arranger)

資金調達を希望する者やオリジネーターに証券化や資金調達の仕組みを提供し、資金調達と投資家との間で様々な調整や取り決め等の業務を行うものを言う。

 

アルコーブ

凹所の意味。アルコーブとは、部屋や廊下、ホールなどの壁面の一部を後退させてつくった空間のこと。一部が入り込んで小部屋のようになっている部分、空間のこと。マンションなどでは玄関部分に造られる事が多く、玄関が外廊下から引っ込んだ位置にあるものを「アルコーブ玄関」という。この場合は、ドア開閉時に部屋の中が見えてしまうのを防いだり、開いたドアが廊下を歩いている人にぶつかるのを防ぐなどのメリットがある。また、小部屋のように壁面が後退している部分を一般的にさすこともあり、書斎・書庫に使われたり、単調な空間に変化をつけたり、空間的演出として利用したりする。

 

インカムゲイン (Income Gain)

有価証券等の投資用資産を保有することから得られる利子や配当による所得などを指す。賃貸用の不動産などに投資した場合は賃料収入のことを表す。

 

 

一種計算

マンションデベロッパーが土地価格を算定するのに使用する。

容積率100%当りの土地単価のこと。

例えば近隣商業地域で容積率300%の場合、土地の坪単価を60万(1種60万という表現をします)と仮定しますと、60万×3種=180万(3種180万)というように使います。

 

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)

外壁に使われる材質。

生石灰・けい石・セメントなどの無機質原料が主材料になっています。商品名でいうと、パワーボード、ヘーベルライトが有名です。

製造時に、オートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生)を行い製造した軽量気泡コンクリートのことです。細かい気泡が入っているため、普通のコンクリートより軽く、耐火・断熱性と耐久性に優れているが、吸水性が大きく、表面に防水性の高い仕上げをしなければならない。  板状に加工したALC版は、鉄骨住宅の外壁材や床材に多く利用されている。 工場で製造されるコンクリート製品の一つ。製品として、壁用・間仕切用・床用・屋根用・バルコニー用などがある。 (指定用途以外の使用は禁止。)

 

SPC(エスピーシー)

Special Purpose Companyの略語。流動化・証券化などのために設立する株式会社や有限会社などの特別目的会社のこと。

 

SRC造

鉄骨鉄筋コンクリート(Steel Reinforced Concrete)造を略して一般的に「SRC造」と呼んでいます。柱・梁など骨組みを鉄骨で組み、その周囲に鉄筋を配置して、コンクリートを打ち込んで一体構造にした工法です。鉄筋コンクリート造と比較して、強度に優れているため、柱を細くすることができます。耐震性にも優れていますので、超高層や高層建築に用いられます。

 

MB

MBはメーターボックスのことで、水道料金などを計るメーターが入っているボックスのこと。

 

NOI(エヌオーアイ)

Net Operating Incomeの略語。純営業収益のこと。不動産賃貸事業における収益概念で総賃貸収入から管理運営(公租公課、管理費、修繕費等)に要した費用を控除した後で借入金利や減価償却費を控除する前の金額を指す。

 

LTV(エルティーブイ)

借入金比率。Loan To Value Ratioの略語。担保や裏付けとなっている債権、不動産などの資産の価値に対するデット(社債元本金額またはノン利コースローン等の借入金)の割合のこと。

 

エンジニアリングレポート(Engineering Report)

デューデリジェンス等で行われる各種調査のうち不動産の物的調査についてまとめた報告書で、経済的調査や法的調査とあわせ、対象不動産の適正価値を判断する上で重要な資料。

不動産の状況調査や土地、建物、環境に関する診断書である。

 

オートロックシステム

エントランスのドアの施錠や解錠を、インターホンないしはナンバーロックで行うマンションに採用されているセキュリティシステムを「オートロックシステム」といいます。居住者がロックを解除しないと、マンション内に入る事ができませんので、マンション等への不審者の進入防止に有効です。最近では、TVモニター付のインターホンを採用したり、オートロックのドアを2重にするなどセキュリティを強化するマンションが増えています。

 

オーナーチェンジ

投資用マンション・戸建等の不動産につき、賃借人が入居したままの状態で他者に売却すること。買主は新たに借主を探す手間がかからないというメリットがある。賃借人から見た場合家主が変わる事になる。

 

オフバランス(Off Balance)

財務体質の改善を図るため、保有する資産を譲渡することにより、不動産等の資産をバランスシート(貸借対照表)から外す(=オフバランス)事。証券化等の手法を用い、実際の事業に供している資産をバランスシート(貸借対照表)から外す事により、ROA(総資産利益率)などの財務指標を向上させ、各付けのアップなど、外部評価を高める効果がある。

 

オリジネーター(Originator)

原資産保有者、または資産譲渡人と呼ばれる。

 

CCR(キャッシュオン・キャッシュリターン)

自己資金に対する収益率。 自己資金のみに依存するより、借入によるレバレッジをかけることでこの指標をアップすることが可能である。

 

減価償却

建物や機械など、数年以上の長期にわたって利用するもので、時の経過によって価値が次第に下がっていくもの(減価償却資産といいます)については、取得した時に一括で必要経費にはしません。もしそうしたら、取得した年だけ必要経費が大きくなりすぎてしまいます。会計上、このような場合には、必要経費を資産の使用する期間に分散させて、必要経費の額がほぼ均等になるようにします。このやり方を、減価償却と呼びます。

 

サブリース

賃貸住宅において、空室リスクを回避するために、不動産会社等がオーナーから一括で借り上げ、転貸して運営する経営形態。オーナーは空室リスク回避や、管理の手間がかからない等のメリットがある。借り上げには期間や料金を一定期間保障する場合もある。

 

敷金(保証金)

関西圏(京都・滋賀方面は除外)の賃貸取引商慣行として、オーナー側から入居者に対して退去時のトラブルを防ぐ為の退去時の修理代金の前払い金が要求されます。これを敷金といいます。契約解除時に敷引額(礼金と同様な性質)を除いた預託金分は返還されます。

最近、敷金返還をめぐるトラブルが増加しており、平成17年7月14日には神戸地裁において、特約自体を無効にする画期的な判決もでています。

国土交通省住宅局は平成16年に敷金トラブルに関して、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを作成。東京都も賃貸住宅紛争防止条例(95号)を制定しています。

 

質権設定

住宅ローンを借りると同時に借入者は火災保険に加入するようになっています。

火災で家が消失すると火災保険が保険会社から支払われますが、金融機関は融資した金額を保全する為にこの保険加入者に対して支払われる保険金に対して質権を設定します。

この質権設定により金融機関は火災の際に保険会社から支払われる保険金をそのまま譲り受け、借入れ金の返済に充当します。

つまり火災保険の請求権を担保とする権利設定のことを質権設定といいます。

 

シックハウス症候群(しっくはうすしょうこうぐん)

住宅の建材に含まれるホルムアルデヒドなどの有害な化学物質が原因で、目や喉の痛み、頭痛、吐き気、倦怠感などの体調不良や病気が起きる現象、またその症状のこと。人によって関節痛、自律神経失調症など症状は多様。カビやダニ、細菌などの微生物が原因になるアレルギーや感染症を含めるケースもあります。

 

SI(スケルトン・インフィル)住宅

スケルトン(骨格・骨組み)とは住宅で言えば構造体です。ここでいう構造体とは、梁・柱・壁・床など建物を構成する骨組みで、耐久的な部分のことを指します。インフィル(充填材)とは内外装・設備・間取りといった、消耗的な部分のことです。「SI(スケルトン・インフィル)住宅」とは、このスケルトンとインフィルを分け、外側の構造は長持ちするしっかりしたものに、そして設備や間取りなど、内側は将来的な変更が容易にできるように造ろう、いう考え方の住宅を指します。

 

スラブ

建築上、鉄筋コンクリート構造における床板のことを「スラブ」といいます。一般的に、分譲マンションでは、上下階に響く騒音を防ぎ遮音性を高めるため、スラブの厚さを20cm程度としています。

 

テナント・リーシング

リーシングとは賃借・リース業のことを意味する。

一般的に「テナント・リーシング」とはテナント賃貸不動産の客付け仲介業務のことを言います。

また有効活用コンサル事業としてロードサイド店舗・大型商業施設のコンセプト作成・企画開発・建設・テナント付けなどを総合的に実行し適切なテナントを誘致運営する業務のことを指す。

 

DSCR

借り入れ償還余裕率。NOI(純営業収益)÷元利金返済額の計算式で表示される。格付け機関の投資適格レベルのDSCRは通常1.6程度である。

 

デュー・デリジェンス

デュー・デリジェンスとは不動産の投資や運用等時において、対象不動産の現状を専門家が総合的に調査・診断し、適正な投資価値の評価を行うことを指す。デュー・デリジェンス業務は大きく分けて、不動産の状況調査、経済的な調査、法的な調査の3つから構成されます。

 

トラックレコード

稼働率・管理コスト・修繕履歴等の運用履歴

 

任意売却

債務者のローンが債務不履行になった時に、銀行が物件を競売にかけるのではなく、それより有利な条件で売買すること。

 

ノンリコースローン

非遡及型ローンとも呼ばれ、担保にした不動産以外に債務が及ばない融資のことで、不動産・「人」(会社)の信用・を担保にする通常の融資とは異なり、不動産そのものの収益力を担保に融資すること。

 

PS

PSはパイプスペースの略で、上下水道の配管スペースのこと。

 

ファサード

建築物の正面の外観のこと。道路側から見たときの建物の外観のことを言います。

いわば、その建物のもっとも見せ場となる「顔」ともいえる部分なので大変重要な部分です。

 

プロパティーマネージメント

不動産の運用業務のことを指します。

オーナー氏に代わり不動産収益の最大化を目指すエージェント(代理)業務です。

具体的には下記に挙げているような内容を分析しオーナー氏へ報告する業務により、資産の運用を行います。勿論プロパティーマネージメントを行っている管理会社もピンからキリまでありますのでこの中の全てが実施されるという訳ではありません。

①月間報告  ②出入金明細(単月レポート,累積・月別レポート)  ③支払経費詳細  ④延滞管理状況 ⑤督促経過状況   ⑥契約者管理(クレーム・善管注意義務違反等)  ⑦現場管理・履歴・作業予定  ⑧稼働状況と将来予測 ⑨ 市場レポート  ⑩運用状況分析報告 ⑪キャッシュフロー収支報告

 

J-REIT(Japan Real Estate Investment Trust)

日本版不動産投資信託のことを指し、アメリカのREIT(不動産投資信託)に対抗する意味で使われている。資金を不特定多数の投資家から集め、不動産に投資する不動産投資信託のこと。平成12年の投資信託法改正に伴い、投資信託の運用範囲が有価証券から不動産に拡大されて組成できることとなり、平成13年9月に東京証券取引所に日本初の不動産投資法人が上場された。投資家には、不動産の売買益や家賃収入で得た収益を分配する。

 

礼金

礼金とは入居者の途中解約のリスクヘッジとしてオーナーが入居者から預かるものです。

入居者がオーナーに対して支払う契約時の謝礼と考えればよいでしょう。

敷金の預託金のように入居者に返還されません。

キャッシュフロー最大化を目指す収益マンション投資

 不動産投資におけるキャッシュフローの判定について

収益マンション投資の収益性は建物の築年数が古くなる程、高くなる傾向があります。

たとえば大阪府内なら投資用RC構造の収益マンション1 棟売りの新築物件なら5%~7%の収益利回りとなります。

これに比して築後、20年程度経過した同クラスの物件なら既に建物が償却され、劣化していることにより大雑把にみて7%~9%の収益性の価格になるでしょう。

更に古い1967 年(昭和42 年)建築の築後40 年程度のものになると11%~13%(下記の表を参照)となっていきます。

 経過年数による利回り曲線(RC・SRC造)

利回り曲線

投資用不動産を購入する場合、多くの人が購入指標として一般的に物件の投資利回りに注目して物件を比較検討する傾向があります。

まず実際に不動産投資をする前に不動産投資の目的について考えてみましょう。

言うまでもなく、キャッシュフローの最大化を目指す資産形成です。

キャッシュフローとは下記の計算式で示されます。

賃料収入―諸経費(修繕費・租税・定期清掃費・その他管理費etc)―借入れ返済金

つまり手元に残る現金収入のことです。

ここで重要な点について触れます。

キャッシュフローの最大化を目指す不動産投資においては対象不動産が建築基準法上、合法的に建てられているかどうかという点と銀行の投資用不動産に対する融資期間の設定ルールを考慮する必要があります。

一般的に都市銀行・地方銀行は第一に融資対象不動産が建築基準法上、違法性がないかどうかということをチェックします。

その根拠書類は検査済証(役所は建物の建築が完了すると建築業者の自主的な申告において実施される完了検査において現地で確認申請時の建築図面と照合して違法性がないかどうかをチェックします。

そして違法性がないと認められた建築物に発行されるものが検査済証といいます。)です。

これが都市銀行・地方銀行から融資を受けられるかどうかの第一のハードルです。

ただしこれがなくても合法的と判定されれば融資されますので、絶対というわけではありません。

その判定の基準で最も分かり易いのが建ぺい率と容積率です。

これが建築基準法上の基準範囲内に収まっておれば融資は可能です。

次に対象不動産の融資期間の設定ルールとして融資対象投資用不動産の法定耐用年数から建築後の経過年数をマイナスした残存年数分を融資期間の限界としているのです。

(法定耐用年数ではなく、金融機関独自の経済的耐用年数を採用している場合もあります。)

たとえば 2007年時点で考えてみます。

1975 年(昭和50 年)建築のRC構造なら法定耐用年数が47 年ですから47 年(法定耐用年数)-32 年(建築後経過年数)=15 年で、15 年の融資期間が限界となり、1990 年(平成2年)建築のRC構造なら、上記の計算で30 年の融資期間です。

重量鉄骨造なら法定耐用年数は34 年ですから平成元年(1989 年)もので16 年の融資期間となります。

このように銀行の融資期間は構造と築年数の関係で制約されてきますので、銀行融資でレバレッジをきかして投資用不動産を購入する場合、築年数の古い物件はいくら収益性がよくても銀行ローンの借入期間が短くなり、返済負担率が大きくなります

したがって賃料収入から管理諸経費と銀行の元利返済金を差し引いたキャッシュフローは小さくなります。

むしろ築年数の新しい収益性において劣る物件の方がキャッシュフローは大きくなってくるのです。

キャッシュフローと構造・返済期間の相関関係については下記のキャッシュフローシュミレーションを確認してください。

その関係が理解し易くなるでしょう。

 キャッシュフローシュミレーション

キャッシュフローシュミレーション

【前提条件】

購入総額:¥1億円(税込み)

購入年度:2007年

購入時諸経費: 購入額の8%

投入自己資金: ¥2000万

営業管理諸経費: 賃料収入の20%

適用金利: 年利3%

上段がRC構造: 満室想定利回り7.5% 1985年建築

(銀行ローン基本融資期間は25年 ※法定耐用年数-経過年数=47-22=25年)

下段が鉄骨造: 満室想定利回り10% 1988年建築

(銀行ローン基本融資期間は15年 ※法定耐用年数-経過年数=34-19=15年)

※営業管理諸経費

(修繕費・修繕積立金・租税・共有部(定期清掃/照明器具交換費・電気代/水道料金)・エレベーター保守点検費・貯水槽清掃費・給湯機交換etc)

上記表で明白な点は1985年建築、満室想定利回り7.5%のRC構造物件と築年数も3年程新しい1988年建築、鉄骨造の利回り10%物件を比較すると満室想定利回りが2.5%高く、築年数も3年程古い鉄骨造よりも利回り・築年数いずれも劣るRC造の物件の方がキャッシュフローが大きいということです。

このキャッシュフローの差は借入れ返済期間の違いにより、同じ購入額でも返済負担率が異なることが要因となっています。


このキャッシュフローシュミレーションから分かることは、キャッシュフローの大きくなる物件を探す為には、RC 構造と鉄骨造の法定耐用年数の違いに注目することです。

RC 構造と鉄骨造に分けてそれぞれ融資期間の長い(つまり築年数の浅い)収益性の高い収益物件を探せば逆に融資期間の短い(築年数の古い)物件は見かけの収益性が良くても、融資に多くを依存する場合、購入してはいけない物件となります。

収益性の高い築年数の古い物件にも勿論、優良物件は存在しますが、このような物件はキャッシュが豊富にある投資家向きとなります。

また収益マンションに精通したプロが現在、一般的に求めている収益物件は目安として検査済証が存在し、尚かつ違法性のない満室想定利回り10%程度の平成年度に建築された物件です。

このクラスになるとなかなか表に出てきませんし、出ても水面下で動き即座に売れてしまいます。このクラスを一般の不動産業界以外の方が狙うのは仕事をしながらではまず見つけるのは不可能に近いかと思われます。

業者でも見つけるのは困難です。

そこで現実的に探せば出てきそうな物件を探すことがポイントとなってきます。

築年数・構造・収益利回りの関係を理解して焦点を絞った物件探しが現実的でしょう。

探せば見つかる可能性のある違法性のない(検査済証番号はあるが検査済証紛失、検査を全く受けていない建ぺい率・容積率無違反物件)物件で収益利回り9%前後の物件です。

このような物件を値交渉して購入するわけです。

1億で収入900 万(利回り9%)の物件を9000 万で購入すれば10%の利回りとなります。

大変厳しい交渉となりますが、10%値引きの9000 万指値です。

市場に出ている収益物件の表示価格はあくまで売主さんの希望価格であるという現実です。

不動産市場は値交渉があって当たり前の世界ですので、売却物件を売主さんより委託される元付け業者もビジネスがスムーズにすすむように、値交渉を予測して、売主さんと相談の上その分を上乗せしているのが一般的です。

中には大幅、値引きが通るような物件も存在しており、これは交渉してみなければ分かりません。

当然、表示価格通り値引きゼロという物件も存在しています。

表面からだけ眺めているだけでは物件を発見できないのは当然と認識しましょう。

空き室だらけで現況利回りの低い物件の中にも、潜在的優良物件は存在します。

売主がローン破綻寸前で、募集管理を真剣に行っていないとか、賃料設定が間違っているために、賃貸仲介業者の協力も得られず、入居付けがスムーズにいっていない物件も存在していますので、実態調査をしてみなければ、表面的な情報だけでは分からないことが多いのが現実です。

以前の取引事例ですが容積率30%オーバーの違法物件で1ヶ月に渡る交渉の上、1 億4500 万(利回り10.13%)の物件を1 億500 万(約14%利回り)にて売買成立という事例もあります。

それと関西の収益物件は全国一、違法物件が多く、現実的に合法物件を探すのは大変難しい面があります。

実態は市場に売りに出ている物件で検査済証が存在している物件は全体の5%にも満たないと思います。

したがって売る側も心得ていますので、検査済証が存在する、もしくは建築概要書で検査済証番号の確認できる物件で、なおかつ、検査済証の発行後、変更工事をやっていない、合法物件ならせいぜい満室想定利回りは6%~8%の利回りで売りに出てくるのが一般的です。

そこで検査済証にこだわると物件探しが困難を極めますので、まず違法性が表面的に認められにくい物件で検査済証はないが、建ぺい率及び容積率が違反していない築浅の物件で目標キャッシュフローに到達する物件を探すのが第一の作戦となるでしょう。

その次に違法性の程度の少ない(建蔽率・容積率の違反度の小さい)、上記より高利回り物件(違法であるが故に、都銀・地銀の融資は受けられません)で築浅の物件を探すのが、現実的な作戦となると思います。


自己資金ゼロで収益物件を探しておられる方がかなり見受けられますが、参考までに記します。

収益還元法による融資可能なメガバンクなら合法物件での最低基準は賃料収入から諸経費率20%、空き室率20%を差し引いた数字から元利返済金を差し引いた数字がゼロ以上を融資判定の最低基準としています。

しかしこれも物件の有する固有リスク(立地条件・物件の設備・プラン・築年数)によって、微妙に異なりますので一律ではありません。

あくまで大まかな判定と考えてください。

また上記の管理諸経費率・空き室率を控除した賃料から元利返済金を控除した金額が空き室率の増大により手出しの現金支出となった場合に耐えられるだけの基本収入があるかどうかということも考慮に入れてきますので、この辺のことも注意しておかないと簡単には自己資金ゼロでは収益物件は保有できません。

後述します損益分岐点の検証でキャッシュフローモデルを掲載していますが、このモデル表で判定すれば、物件探しの目安としてキャッシュフローの視点から返済負担率を考慮して26 年程度の返済期間の設定ができるものを探すことがポイントになりそうです。

鉄骨造で2000 年以降(平成12 年)、RC 造で1987 年(昭和62 年)以降の物件なら返済期間は26 年の設定ができますので、この辺の建築年度が目安となりそうです。

また結構多くの方がないもの探しに陥っている状況がうかがえますので、今まで記したような点を考慮しながら焦点を絞って物件探しをすることが必要ではないでしょうか。

それとやはり物件探しの基本はキャッシュを準備して余裕をもって臨むことが、リスク許容度を高める為にも最も重要ではないかと思います。

不動産投資は投入自己資金の程度により、個々にキャッシュフローに差が出てきます。

投入自己資金が大きい程、借入れによる返済負担率が少ないわけですから、おのずから自己資金のない人とある人では同じ物件を購入してもキャッシュフローに差が生じてきます。

収益物件の探し方は投入可能な自己資金の額と収益性・構造・築年数のバランスを考慮しながら、現時点で不動産市場に出ている物件をいくつかキャッシュフロー・シミュレーションにより損益分岐点を判定し現実的に購入可能なものを探していくことがポイントとなるでしょう。

まず現在の自分の保有している投資力という物差しをしっかり判定する作業が必要かと思われます。

下記の表にて損益分岐点を検証してみてください。

  損益分岐点の検証

損益分岐点

上記は総額1億円(税込み)の収益物件をフルローンにて利回り10%で購入した場合、キャッシュフロー(税引き前、経費支払い後の手取り現金収入)がいくら手元に残るかをシミュレーションしました試算表です。

不動産取得経費は8%、金利は3%で試算。HのNOI(営業純利益)は固定資産税・清掃費・修繕メンテ費等を概算で収入の20%として試算の上、年間賃料からその経費を差し引いています。

また空室率を年間賃料の20%とみてその分も更に差し引き計算。

12年返済・15年返済・17年返済・20年返済・25年返済・26年返済・30年返済の7パターン表示。

Nのローン償還余裕率(一般的にはDSCRという表示をします)は、経費支払い後の手元に残った収入を年間返済額で割った数字、つまり「NOI(純利益)÷年間元利返済額」で計算しています。

これは借入れ金返済金として支出される元利返済額に対してHの営業純利益という源資がどの程度余裕があるかを判定する指標です。

この数値が1以下は他の給与収入や事業収入から補填する必要が出てきて、最悪ローン破綻の可能性が生じます。

1より数値が大きければ大きい程安全な投資という判定となります。

上記表で理解されることは返済期間によって同じ借入額であっても返済負担率(上記表のP参照)が異なります。当然、返済期間が短いほど(即ち築年数が古いほど)、返済負担率は高く、返済期間が長い程(即ち築年数が新しいほど)、返済負担率は低くなるということを理解し易くすることを目的に上記表を作成しています。

そしてキャッシュフローの諸経費20%・空き室リスク20%控除後の損益分岐点(収支の均衡ポイント)をみてみますと、DSCRがほぼ1の水準は上記表のNの欄を参照しますと26年返済ということになります。そこで26年返済が損益分岐点ということが判定できます。

即ち築年数はRC構造で1987年(S62年)建築以降、鉄骨構造なら2000年(H12年)以降の物件で利回りが10%、適用金利3%なら管理諸経費20%・空き室リスク20%とみて収支トントンということです。

当然これらの前提が変われば損益分岐点も変わります。

同じ10%の利回りであっても1987年建築(経過年数21年)のRC構造(法定耐用年数47年)に対して同じく1986年建築(経過年数22年)の鉄骨造(法定耐用年数34年)を比較しますと、RC構造なら25年(47年-21年=26年)返済が可能となり、キャッシュフロー(上記表の末尾のO欄参照)は年額¥12.720円となります。

鉄骨造なら12年(34年-22年=12年)返済となりますので、▲¥4.728.120となり、その差は¥4.740.840にもなります。

このように構造、建築年数、利回りの相関関係を理解していませんと、物件のキャッシュフローがどの程度になるか判定できません。

本レポートの最初に掲載しています利回り曲線のように一般的に築年数が新しいもの程、利回りは当然低く、古いもの程、利回りは高くなります。

法定耐用年数を経過した利回り14%のような鉄骨造がよく出てきますが、オール現金でないと購入できません。

利回りだけに目がいってしまいがちになりますが、収益性・構造・築年数の3要素のバランスをみながらの物件探しが必要です。

※上記シミュレーションに減価償却は考慮していません。


次に、ファイナンスを注力することも大変重要です。

銀行は融資先の資産状況・属性・法人なら財務状況等を考慮して融資しますので一般的に認知されている融資期間の設定ルールと異なる優遇された融資期間の設定も行っています。

もちろん金利面においても個人差があります。

労力が必要ですが、ファイナンスによっても大きくキャッシュフローが異なってきますので、金融機関一行で駄目だったとしてもあきらめずに他行でも交渉する必要があるでしょう。

  まとめ

① 対象不動産の建築基準法上の適法性をチェック

② 不動産投資は収益・構造・築年数の3 つのバランスに注目し、自分のキャッシュフローの損益分岐点を知ることにより、物件探しの物差しをもつ。

③ 自分の物差しに合致するように値交渉する。

④ ファイナンスが重要。融資機関一行だけで諦めない。

それと最後に付け加えますと、将来の出口(処分)も考慮することが必要です。

投資不動産はいつかの時点で売却も考慮する必要があります。

上記を考慮の上、これはといった物件が出てきた時に常日頃からいつでも瞬時に購入の判定を即座にすることができる準備をしておく必要があります。

不動産は生ものです。

時間が経過すると必ずどこかの誰かに適正な価格で必ず賞味されてしまいます。

良い物件は誰しもが良いと思う可能性が高いわけですから、いつでも準備万端の投資家にチャンスを奪われてしまうということになりますので、物件が出れば時間との戦いになります。

またインターネットを利用して自分だけで探すというのは限界があります。

ネット上には実際に市場で流通している物件の20%にも満たないというのが実態です。

そして仕事をしながらですと、どうしても時間的な制約がありますので、希望物件を探すためには収益物件についてよく理解している不動産業者の協力、サポートをうまく活用するのも大事なことではないかと思います。

最後まで読んでいただき有難うございました。
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不動産取引の注意事項

常に最悪(万が一)の事態を想定し安全な取引を心がけましょう。

不動産売買で安心できる取引をする為の最低限のチェック事項を記載します。

 

 ①本人確認

売主が登記簿上の所有者かどうか身分証明書にて確認することが必要です。

過去の経験ですが、農地の売買に絡み小作人が地主の了解を得ずに勝手に売りに出していたりとか共有名義の土地を共有者の同意を得ずに売りに出したりしているようなことがありました。

特に共有名義の物件の売買の際は、売買契約時には必ず共有名義人全員が売買に同意しているかどうかの確認を必ずするようにしましょう。

 

 ②引渡し条件の確認

現況渡し(見たままの状況での引渡し)なのか、不具合部、改修条件付の確認をしましょう。

 

 ③境界の確認

敷地境界の位置について隣地とトラブルになれば、後々、困りますので確定測量を売主側に要求し境界を明確にしてもらいましょう。

登記簿上の面積と実際の測量面積を一致させる手続き(このことを地積更正といいます)を売主負担でやってもらうのがベストです。

 

 ④売買面積の単位の確認

土地を購入の場合、売買面積の単位の確認が必要です。

売買面積の単位を明確にしておきましょう。

㎡単価で価格を決める場合は何の問題もありませんが、坪単価で決める場合は、1坪当たりの㎡数を明記しておかないと、特に金額の大きい場合、トラブルになる可能性があります。1坪当たり3.3㎡なのか、3.3058㎡なのか明確にし、端数処理についても明確に定めておいた方がよいでしょう。

 

 ⑤建築法令及び接道している道路確認

更地もしくは中古住宅を購入して新築住宅を建築もしくは建て替えする場合、敷地の前面道路の種類は建築基準法上の道路に該当していなければなりません。

そして敷地がその道路に2m以上接している必要があります。

接道している道路が建築基準法上の道路と認められなければ建築は不可能となりますので十分に注意しましょう。

また建築基準法上の道路と認められてもその道路の幅員が4m未満の場合、道路の中心から2m後退した地点から建物を建てられる敷地として判定されます。

また土地毎に都市計画法という法律により用途地域の指定とか建ペイ率・容積率の制限、斜線制限といったもので建築できる建物の種類や延べ床面積の限度といったものが定められていますので、チェックが必要です。

 

 ⑥物件の物理的な瑕疵

雨漏りの有無・構造部の腐食・シロアリ被害・適切な基礎補強をしていない為の床の傾き給排水関係の不具合。

土壌汚染・アスベスト・地中埋設物の確認。

建物の付属物や給排水管の隣地への越境及び、隣地からの越境。

敷地内に既存擁壁がある場合、安全上問題がないかチェックしましょう。

擁壁が傾いてきているとか、膨らんできているような場合は要注意です。

特に既存擁壁が古い場合、やり直しの必要性が生じ思わぬ出費増大の可能性も出てきますので。

また敷地の履歴も調べておきしょう。

更地を購入するようなケースでは、埋め立てによる造成で、特に埋め立てられて時間が経過していない(一般的に1mの盛土で地盤が落ち着くのは1年かかると言われています。)場合、軟弱地盤の可能性がありますので注意しましょう。

軟弱地盤の場合、基礎補強費だけで100万以上の余分な出費が必要になるケースもありますので、気をつけなければなりません。

※国土交通省の見解では床の傾きの許容限度は1m当たり、3mmとなっています。

※更地を買う場合、たまに地中に基礎がそのまま残されているケースがあります。

解体業者の中には費用を安く済ませる為に基礎をそのまま残してしまう場合がありますので要注意です。したがって解体依頼する場合に念の為、基礎の撤去も要求しておきましょう。

 

 ⑦物件の心理的な瑕疵

自殺者があった・霊が出る・殺人事件があった・近隣に常習クレーマーの存在etc

 

 ⑧付帯設備の現況確認。

インターホン・照明器具・アンテナ・給湯機・エアコン・コンロ・食器洗い機その他設備の使用期間、及び不具合確認。付帯設備表によるチェック。

 

 ⑨経年劣化による不具合

クロスの亀裂、はがれ。 外壁のクラック・基礎のクラック(ヘアークラック程度)。

玄関土間・ポーチのタイルの欠け及び、ひび割れ。

その他、水周り関係のタイルの不具合。

室内床の傷。床のきしみ。建具の建てつけ。網戸の破損。雨戸の不具合。

※建物が古い場合、自然劣化により建物が傷んでいて当たり前のことですが、仲介業者の説明不足で取引完了後に買主が不具合を発見した場合、買主にとって不満、クレームとなります。

※売主、買主、仲介業者共、不愉快な思いをしない為にも、取引前に不具合な部分は仲介業者に確認してもらうことと、買主自らも十分物件観察し、売主よりもヒアリングの上、納得して取引することが大切です。

売主も気になる箇所は仲介業者及び 買主に十分説明しておくことが、後々のトラブル防止の為に重要なことです。

 

 ⑩物件周辺の嫌悪施設等

工場の騒音・振動、川の悪臭、特定施設よりの悪臭(養豚場)、道路・線路、高層建物による電波障害、暴○団事務所、他、200m以内に存在する気になるものはオールチェックが必要です。

 

 ⑪相隣クレーム

隣地よりの日照障害・騒音。

空き地のある場合はどのような建築物が建つ可能性があるのか。

隣地の建て替え計画など、調査の可能な範囲で確認しましょう。

 

 ⑫確認通知書写し及び検査済証の確認

新築住宅・中古住宅購入の場合、確認通知書写し及び検査済証(確認通知書通り建てられておれば検査済証が発行されているはずです。)の確認をする必要があります。

合法的に建てられたものなら必ず確認通知書の副本が存在します。

確認通知書の副本、検査済証が無い場合、何らかの違反が考えられますので注意しましょう。

ただし、中古住宅の場合、大手業者の建築したものでも検査済み証が無いケースが結構ありますので、あまりこだわっていますと購入ができなくなります。

それと検査済証があっても、検査済証取得後に2次工事で大きく違反しているケースも数多く存在しますので、検査済証があるからといっても絶対に安心ではありません。

 

 ⑬その他

都市計画道路の予定地域内や文化財の埋蔵地域に入っていないかも確認が必要です。

 
最後まで読んでいただき有難うございました。
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土地価格の一物五価

経済学では”一物一価の法則”が有名ですが、これは完全競争の世界では物の値段はすべて同一 価格になるというもので現実の世界ではあり得ないことです。

一般的には多くの方が日常、一物二価というのは体験していますよね。

例えば電気製品を買う際に、希望小売価格と実際の売価は全く異なるでしょう。

それ以外にも高額な車を買ったり、住宅を買ったりする場合でも、カタログ表示価格、見積り価格でそのまま購入するケースは少ないはずです。

購入者から販売側に対する値引き交渉が商慣習として定着していますので最初から値引き要求を見越した価格設定になっていることが普通のようになっています。

このように売り手の希望売価と買い手の購入価格という2重の価格があるわけです。

ところが土地の価格には何と5種類もの価格「時価(実勢価格)・公示価格・基準地価・路線価・固定資産評価」が存在しています。

大変混乱しますね。

上記の基準地価を除き一物四価と表現するのが一般的ですが、基準地価も含め一物五価とも言います。

それぞれの価格は使われ方が違うのです。

下記にそれぞれの価格の意味について説明します。

 ①時価(実勢価格)

その土地が実際に取引される価格のことを言います。

自分の所有している不動産を売却したい場合、まず参考になるのが不動産情報誌や新聞の

折込広告(一般的に実際に取引される価格は広告表示価格より買い手の値交渉により値引きされているケースが多く、広告価格よりは高く売れないということは目安として判断できます)です。

次に現地の複数の不動産業者に聞いてみるのがいいでしょう。

不動産業者によっては賃貸がメインで売買を全くしていないような会社もありますのでその辺も注意しながらヒアリングしましょう。

 ②公示価格

公示価格の調査は、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が全国的に都市計画区域内の標準地を選び、毎年1月1日現在の標準地について公表する正常な価格のことです。

不動産の鑑定評価の専門家である二人の不動産鑑定士が各々別々に現地を調査し、 最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して評価を行います。

この公示価格は、一般の土地取引の指標となり、公共事業用地取得価格の算定、相続税評価や固定資産税評価の目安として活用されています。

毎年3月20日過ぎ頃に公表されています。

 ③基準地価

基準地価とは都道府県知事が国土利用計画法施行令に基づいて公表する毎年7月1日時点の土地価格です。

1月1日時点における公示価格とともに土地取引の目安とされています。

公示地価が都市計画区域内を対象とするのに対し、基準地価では都市計画区域内及び都市計画区域外の住宅地、商業地、工業地や、宅地ではない林地も含んでいます。

広報される土地価格情報では最も正常な価格であり、一般の土地取引の指標となります。

7月1日現在の価格が9月20日頃に各都道府県の公報で公告されます。

市町村役場に備えてありますから、いつでも閲覧できます。

 ④路線価

路線価は相続税や贈与税を算定するため、課税の対象となる財産の評価方法として国税庁が定めた価格です。

税金を算定するための基準であるため、実勢価格より低く設定されているのが普通です。

毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格、基準地価、売買実例価額及び不動産鑑定士等の地価事情精通者の意見価格等をもとに算出され、主要道路に面した標準的な宅地の1㎡当たりの評価額のことです。

毎年8月上旬(2006年は8月1日)に公表されます。

8月上旬以降に税務署もしくはインターネットで閲覧できます。

路線価は平成4年8月から概ね公示価格の80%(平成3年までは公示価格の70%が目安となっており、7月1日が評価時点となっていましたが、平成4年から変わりました)を目安に決められています。

 ⑤固定資産税評価額

固定資産税を支払う基礎となる価格です。固定資産税の課税主体である各市町村が決めます。

3年毎に1月1日時点の土地価格が基準として決定されています。次の評価変えは平成21年度となり、平成20年の1月1日を基準として決定されます。

固定資産評価額は公示価格の70%が目安となっております。

ある特定の土地の固定資産評価額の目安を調べたい場合、路線価が分かれば、路線価は公示価格の80%が目安となっていますので、公示価格が1とすれば路線価は0.8、固定資産評価額は0.7の関係ですので。固定資産評価額は0.7÷0.8=0.875となり、路線価の87.5%が固定資産評価額の目安になるということが分かります。

また公示価格は1÷0.8=1.25で路線価の1.25倍が目安になるということが分かります。

結構便利な指標ですので覚えておきましょう。

上記内容を一覧表にしますと下記の様になります。

itibutugoka

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定期借家権について

定期借家権は平成12年3月1日から施行された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」によって創設された新しい借家権で、従来の借家権とは異なり、契約期間が満了したときに正当事由制度が適用されず、法定更新制度の適用もありませんので、契約が更新されることなく終了する借家権のことを言います。

その特徴を以下に列挙します。

 特徴

①明け渡しが確実

②立退き料が不要

③最短存続期間の制約無し

従来の借家権では1年未満および20年を超える期間の借家契約について最短期間は借地借家法第29条、最長期間は民法第604条により設定できないことになっていましたが、定期借家契約では1年未満可(マンスリー借家の1ヶ月でも可能)・20年超可となりました。

 定期借家権の成立要件

①期間の定めをすること

②公正証書による等書面によって契約をすること(公正証書による等書面によってとされていますから必ずしも公正証書でなくてもよく、私製の契約書でも可です)。

③定期借家契約の更新の際は口頭で済ませると普通の借家権としての効力しか認められなくなってしまいますので、契約期間の満了後、更新する際は必ず再契約として公正証書による等書面によって契約をすることが必要です。

④1年以上の期間を定めた定期借家権契約は期間満了の1年前~6ヶ月前までの間(この期間を通知期間といいます)に借家人に対して、期間満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければその終了を借家人に対して対抗できません。例えば期間満了の3ヶ月前に終了の通知をしてないことに気が付いた時はその通知の日から6ヶ月を経過した後に、契約の終了を借家人に対抗できるとされています。要するに借家人に6ヶ月の準備期間を与えなさいということです。

 期限付き建物賃貸借の廃止

借地借家法(平成4年8月1日施行)によって創設され、平成12年3月1日に法改正により廃止された制度。

期限付き建物賃貸借とは、次のいずれかの事情がある場合に、借家契約の更新を否定し、期間満了により借家契約が自動的に終了するという建物賃貸借のことである。

(1)転勤等のやむをえない理由により、一定期間に限り家主が不在となること

(2)法令等により一定期間を経過した後に、建物が取り壊されることが明らかなこと しかし平成12年3月1日に法が改正され、こうした特別の事情がなくとも、定期借家契約を結ぶことが可能となった。そのため、期限付き建物賃貸借は、平成12年3月1日をもって廃止となった。

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