関西の商習慣と関東の商習慣

収益マンション購入の大事なポイントとして保証金がどうなっているかということがあります。

買い主Aさんが売主Bさんより1棟売り中古居住用収益マンション(全戸数20戸、内訳入居戸数15戸・空き戸数5戸)を総額1億円で購入した場合について説明します。

例えばそのマンションの売主Bさんが保証金として既存の入居者、15戸の方から1戸当り50万(解約引き30万返還金20万)で総額750万預かっていたとします。

そうすると売主Bさんは解約引きの1戸当たり30万(30万×15戸=450万)は収入として計上できますが、将来、既存の入居者が退去する際に返還分の1戸当り20万の15戸分、合計20万×15戸=300万は単なる預かり金です。

関西の商習慣では保証金の持ち回りと言って、この売主のBさんはマンション購入したAさんにその返金分の300万を支払わず、自らの収入としてしまいます。

そしてその返金分の300万を買主の将来の負債として引き継ぎさせます。

したがって買主Aさんは、この300万を売主Bさんから返金してもらえなければ総額1億円で買っても300万円の負債付で1億円のマンションを購入したということになりますので実質的には、1億300万での購入ということとなります。

そこでAさんは入居者の退去に備えてこの返金分をキャッシュで常にプールしておくことが大切です。

返還保証金は別枠で準備しておきましょう。

これに反して関東圏ではこの300万の保証金を売買時に清算しますので買い主Aさんにとっては実質的に1億円の購入ということになります。

この方式を東京方式といいます。売買の方法としてはこの方式が最も理にかなっている方法でしょうね。

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Author Profile

大政 伸作
大政 伸作エン・ワークス代表(宅建士・不動産コンサルティングマスター)
記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。

積水ハウスにて30年勤務後退職。
現在は収益用不動産に特化した仲介業を専門とし、お客様の資産形成のサポートを行っています。

これから不動産投資を行う方や既に大家業を営んでいる皆様方には、成功への道筋を掴んで欲しいです。

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