不動産取引の注意事項

常に最悪(万が一)の事態を想定し安全な取引を心がけましょう。

不動産売買で安心できる取引をする為の最低限のチェック事項を記載します。

 

 ①本人確認

売主が登記簿上の所有者かどうか身分証明書にて確認することが必要です。

過去の経験ですが、農地の売買に絡み小作人が地主の了解を得ずに勝手に売りに出していたりとか共有名義の土地を共有者の同意を得ずに売りに出したりしているようなことがありました。

特に共有名義の物件の売買の際は、売買契約時には必ず共有名義人全員が売買に同意しているかどうかの確認を必ずするようにしましょう。

 

 ②引渡し条件の確認

現況渡し(見たままの状況での引渡し)なのか、不具合部、改修条件付の確認をしましょう。

 

 ③境界の確認

敷地境界の位置について隣地とトラブルになれば、後々、困りますので確定測量を売主側に要求し境界を明確にしてもらいましょう。

登記簿上の面積と実際の測量面積を一致させる手続き(このことを地積更正といいます)を売主負担でやってもらうのがベストです。

 

 ④売買面積の単位の確認

土地を購入の場合、売買面積の単位の確認が必要です。

売買面積の単位を明確にしておきましょう。

㎡単価で価格を決める場合は何の問題もありませんが、坪単価で決める場合は、1坪当たりの㎡数を明記しておかないと、特に金額の大きい場合、トラブルになる可能性があります。1坪当たり3.3㎡なのか、3.3058㎡なのか明確にし、端数処理についても明確に定めておいた方がよいでしょう。

 

 ⑤建築法令及び接道している道路確認

更地もしくは中古住宅を購入して新築住宅を建築もしくは建て替えする場合、敷地の前面道路の種類は建築基準法上の道路に該当していなければなりません。

そして敷地がその道路に2m以上接している必要があります。

接道している道路が建築基準法上の道路と認められなければ建築は不可能となりますので十分に注意しましょう。

また建築基準法上の道路と認められてもその道路の幅員が4m未満の場合、道路の中心から2m後退した地点から建物を建てられる敷地として判定されます。

また土地毎に都市計画法という法律により用途地域の指定とか建ペイ率・容積率の制限、斜線制限といったもので建築できる建物の種類や延べ床面積の限度といったものが定められていますので、チェックが必要です。

 

 ⑥物件の物理的な瑕疵

雨漏りの有無・構造部の腐食・シロアリ被害・適切な基礎補強をしていない為の床の傾き給排水関係の不具合。

土壌汚染・アスベスト・地中埋設物の確認。

建物の付属物や給排水管の隣地への越境及び、隣地からの越境。

敷地内に既存擁壁がある場合、安全上問題がないかチェックしましょう。

擁壁が傾いてきているとか、膨らんできているような場合は要注意です。

特に既存擁壁が古い場合、やり直しの必要性が生じ思わぬ出費増大の可能性も出てきますので。

また敷地の履歴も調べておきしょう。

更地を購入するようなケースでは、埋め立てによる造成で、特に埋め立てられて時間が経過していない(一般的に1mの盛土で地盤が落ち着くのは1年かかると言われています。)場合、軟弱地盤の可能性がありますので注意しましょう。

軟弱地盤の場合、基礎補強費だけで100万以上の余分な出費が必要になるケースもありますので、気をつけなければなりません。

※国土交通省の見解では床の傾きの許容限度は1m当たり、3mmとなっています。

※更地を買う場合、たまに地中に基礎がそのまま残されているケースがあります。

解体業者の中には費用を安く済ませる為に基礎をそのまま残してしまう場合がありますので要注意です。したがって解体依頼する場合に念の為、基礎の撤去も要求しておきましょう。

 

 ⑦物件の心理的な瑕疵

自殺者があった・霊が出る・殺人事件があった・近隣に常習クレーマーの存在etc

 

 ⑧付帯設備の現況確認。

インターホン・照明器具・アンテナ・給湯機・エアコン・コンロ・食器洗い機その他設備の使用期間、及び不具合確認。付帯設備表によるチェック。

 

 ⑨経年劣化による不具合

クロスの亀裂、はがれ。 外壁のクラック・基礎のクラック(ヘアークラック程度)。

玄関土間・ポーチのタイルの欠け及び、ひび割れ。

その他、水周り関係のタイルの不具合。

室内床の傷。床のきしみ。建具の建てつけ。網戸の破損。雨戸の不具合。

※建物が古い場合、自然劣化により建物が傷んでいて当たり前のことですが、仲介業者の説明不足で取引完了後に買主が不具合を発見した場合、買主にとって不満、クレームとなります。

※売主、買主、仲介業者共、不愉快な思いをしない為にも、取引前に不具合な部分は仲介業者に確認してもらうことと、買主自らも十分物件観察し、売主よりもヒアリングの上、納得して取引することが大切です。

売主も気になる箇所は仲介業者及び 買主に十分説明しておくことが、後々のトラブル防止の為に重要なことです。

 

 ⑩物件周辺の嫌悪施設等

工場の騒音・振動、川の悪臭、特定施設よりの悪臭(養豚場)、道路・線路、高層建物による電波障害、暴○団事務所、他、200m以内に存在する気になるものはオールチェックが必要です。

 

 ⑪相隣クレーム

隣地よりの日照障害・騒音。

空き地のある場合はどのような建築物が建つ可能性があるのか。

隣地の建て替え計画など、調査の可能な範囲で確認しましょう。

 

 ⑫確認通知書写し及び検査済証の確認

新築住宅・中古住宅購入の場合、確認通知書写し及び検査済証(確認通知書通り建てられておれば検査済証が発行されているはずです。)の確認をする必要があります。

合法的に建てられたものなら必ず確認通知書の副本が存在します。

確認通知書の副本、検査済証が無い場合、何らかの違反が考えられますので注意しましょう。

ただし、中古住宅の場合、大手業者の建築したものでも検査済み証が無いケースが結構ありますので、あまりこだわっていますと購入ができなくなります。

それと検査済証があっても、検査済証取得後に2次工事で大きく違反しているケースも数多く存在しますので、検査済証があるからといっても絶対に安心ではありません。

 

 ⑬その他

都市計画道路の予定地域内や文化財の埋蔵地域に入っていないかも確認が必要です。

 
最後まで読んでいただき有難うございました。
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Author Profile

大政 伸作
大政 伸作エン・ワークス代表(宅建士・不動産コンサルティングマスター)
記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。

積水ハウスにて30年勤務後退職。
現在は収益用不動産に特化した仲介業を専門とし、お客様の資産形成のサポートを行っています。

これから不動産投資を行う方や既に大家業を営んでいる皆様方には、成功への道筋を掴んで欲しいです。

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